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プロフィール
てっしー
てっしー
高崎市出身ですが、09年4月、20年ぶりに東京から戻ってきました。東京では音楽の仕事で、演奏や指導・指揮をしていましたが、現在は楽器店勤務でピアノを売ってます。音楽と釣りが好きで、それらを気ままに書き込もうと思ってます。

2013年02月09日

野庭高校吹奏楽部の想い出に触れて

吹奏楽を知ってる人にとっては結構貴重な話だと思います。

少し前ですが1月20日、急遽横浜に行くことになりました。

理由は4日前の16日夜、1本の「お知らせ」というメールが届いたことから始まります。

送り主は神奈川県立野庭高校吹奏楽部の卒業生で、以前私が神奈川の高校を指導していた時にコーチに来てくれていた、今でも仲の良い友人です。
「横浜上大岡の中澤先生のご自宅が建て替えで取り壊されることになり、20日(日)にご遺族のご厚意でOB達に開放してくださるることとなりました。もしご都合がよろしければ…」
中澤先生とは、無名だった県立野庭高校吹奏楽部を全国大会常連校に育て上げた指導者の中澤忠雄氏のことで、「ブラバンキッズラプソディー」「ブラバンキッズオデッセイ」という本でも原作になったり、当時テレビなどで取りあげられるなどでも話題になり、吹奏楽界でも多くの学校が目標としてきた学校の指導者・指揮者です。
私も高校時代、先輩から「野庭高校はこんな練習をしているらしい」「野庭高校みたいになるには…」などと言われながら厳しい練習を与えられていましたが、偶然にも音楽学校在籍時に中澤先生に教わることができ、在学中とても可愛がっていただきました。
授業が終わるとよく一緒に飲みに連れて行かれ、その度に「お前も野庭の卒業生や!」といって大きな手でがっしりと握手をし、そのまま先生のご自宅まで行って泊めていただいたり、野庭高校にも連れて行っていただいたこともありました。
その先生も平成8年にお亡くなりになり、先生の音楽葬にも出席しました。
その後、吹奏楽指導を通して野庭高校の卒業生と知り合うきっかけも増え、卒業生達の行事などにも声をかけていただいたりしてきました。
神奈川の高校を指導することになってからは、毎年コンクールの前日や悩んでいる時などの度に先生のお墓参りに行って初心を思い出させていただきました。
指導の仕事を辞める時も、先生のお墓に行って頭を下げてきました。
その先生の音楽葬に出席した時のしおりがメールをもらう数日前に突然出てきて「また近い内にお墓参りに行きたいなぁ」と思っていた矢先の連絡でした。

(音楽葬でのしおりです↑)
しかし、メールをもらった時は20日は新潟の中学校へ指導に行くことになっており、伺えないと残念に思い、欠席の返信メールを出そうと文章を作成していたら、新潟の先生から「インフルエンザで学級閉鎖が増えていて、急で申し訳ないが20日をキャンセルさせてほしい」とメールが来たのです。
「この偶然は、もしや先生が呼んでくれているのかも!?」と感じ、急遽上大岡まで出向くこととなりました。
有り難いことに、急な話にもかかわらず声を掛けてくれた友人も駅から送迎してくれると言ってくれて、更に神奈川で指導していた高校の顧問にも声を掛けたら一緒に昼食しましょうと言ってくれて、たくさんの久々の再会に感動しました。
先生のお宅は昔のままでしたが、中は片付け後でガランとしていて、当時の想い出がよみがえり寂しさが込み上げてきました。しかし、たくさんの卒業生達が駆け付け、先生の愛情を注いだ教え子達が今でもこんなに集まるんだと感心し、指導の初心をまた改めさせられました。

(家の中は物が撤去されガス電気も通らず寂しい感じでした)
集まった教え子達は20代から私よりも年配の方までたくさんいましたが、私1人だけ野庭高校卒業生でないにも関わらず、皆さん歓迎してくださりとても心が温かくなりました。
その後、私は友人と共に戸塚にある先生のお墓参りに行き、帰路につきました。
  
(私も泊めていただいた先生のお宅です) (卒業生も記念写真を撮るなど惜しんでいました)

自分の命を削り、人生を懸け、教え子達に愛情をつぎ込んで吹奏楽部を指導された中澤先生からは本当にたくさんのことを学ばせていただきました。
自分の座右の銘である「音楽は心」は中澤先生から教えていただいた言葉で、照れ屋な先生だからこそ多分誰も持っていないであろう先生直筆のサインにも書いていただいた私の宝物でもある言葉です。
先生が亡くなられてから、及ばずながらも先生の遺志を引き継ぎ、自分の教え子達に「音楽は心」という言葉の深さを伝え、更に自分にも戒めるためにも、この「音楽は心」という言葉を、自分が音楽を続ける限り心に持ち続けていようと思います。

自分の指導人生で残せた、とても貴重な、想い出深い体験をさせていただきました。


更に有り難いことに、今年は自分の今までの指導人生のお土産ともいうべきことが続き、
2月10日(日)は、千葉県の習志野市立習志野高校、創部50周年記念演奏会と祝賀会のご招待をいただき、出席してくることとなりました。
この高校で指導されていた前顧問の新妻先生にも多くを学ばせていただき、私にとって中澤先生と同じく心の師匠でもある方です。
先生をはじめ、昔の教え子達に声を掛けていただき、また再会できるというのは、本当に有り難いことで、感謝しながら再会を楽しんできたいと思います。

市立習志野高校 創部50周年記念演奏会についてはこちらをどうぞ
http://www1.seaple.ne.jp/nhssb/50-top.html